Sustainability

日進工具のサステナビリティ

当社グループのサステナビリティ推進体制について

  1. サステナビリティ基本方針について
    日進工具グループは、社会と企業の持続的成長を目指す観点から、2021年11月に「サステナビリティ基本方針」(以下「基本方針」)を策定し、公表いたしました。また、基本方針を支える重要項目(マテリアリティ)として、6つのテーマを選定し、これらに向き合い、課題を解決してゆくことで、当社グループの持続的成長と社会のサステナビリティを同期させることを目的としております。
    1. 環境問題への対応 「人と地球にやさしい製品を、最小限の資源でつくり、環境負荷の低減に努めます。」
    2. モノづくりにおいて精密・微細加工の分野が益々必要とされる中、当社は小径工具に特化した生産工程を追求し、高精度化・長寿命化・多機能化による高付加価値製品を提供することで、自社とお客様双方の省資源化に寄与し、環境問題の負荷低減を行ってまいります。事業活動においては最小限の資源を最大限有効活用することに努めるとともに使用済製品のリデュース、リユースやリサイクルの推進など、環境保全を重視した取り組みを実行してまいります。
    3. 人権の尊重 「企業活動において、人権を尊重し、行動します。」
    4. 人と人との関わりを大切に、個々を認め合う共生社会を目指し、人権・人格を尊重し性別・国籍・信条、身体的条件、社会的身分などによる不当な差別はしないことを宣言します。また、製品の販売先、原材料の製造過程などのサプライチェーンを含めた企業活動全般において、人権が尊重されるよう行動します。
    5. 地域・社会への貢献 「小径エンドミルの事業を通じて、地域・社会における公益的な活動を実践します。」
    6. 地域・社会の一員であることを役職員一人ひとりが自覚し、みちのく未来基金やデフサッカーの支援をはじめとした子供たちの育英及びスポーツ振興などに取り組んでまいりました。これからも地域・社会の発展のために公益的な活動を様々な形で実践していきます。
    7. 従業員の働きがい 「すべての従業員に働きがいのある職場環境を提供します。」
    8. 社是である「明るく・楽しく・創造をしよう」を主体的に実践できる人財を育成するため、研修制度の充実や従業員との対話を通じ、企業と個人が相互に成長できる職場環境を整備します。
    9. 取引先とのパートナーシップ 「取引先との相互理解を深め、公正な事業活動を通じて持続社会を目指します。」
    10. 販売先・調達先などの取引先や関係機関と相互理解を図りつつ、法令や社会規範を順守し公正かつ正当な交渉に基づいた取引により、確かなパートナーシップを築き、互いに協力しながら事業活動を継続していく企業を目指します。
    11. 災害等の危機管理 「いかなる状況でも安定した製品供給が可能な体制を構築します。」
    12. お客様への製品供給を絶やさないために適正な製品在庫を自社・代理店・販売店で保有し、危機管理対策を充実させることにより、非常時においても生産や出荷が可能な体制の構築を進めます。当社工場の生産体制は、平時より”災害に強い工場”を掲げて様々な取り組みを実践し、2011年3月11日に発生した東日本大震災では、被害を最小限に抑えることができました。その経験を基に、更に確実な体制へと繋げてまいります。


  2. サステナビリティのキーワード「高付加価値製品」
    当社グループのサステナビリティ基本方針を支える、最小限の資源とエネルギーでつくる「人と地球に優しい製品」とは、高性能で他にはない製品(高精度・高能率・多機能・長寿命)のことであり、これを当社グループでは「高付加価値製品」と呼んでいます。日々の事業活動の中で、当社グループの各部門が高付加価値製品の創造・提供に向けて全力で取り組むことで、当社グループのサステナビリティが実現します。具体的には、各部門がそれぞれに掲げる「高付加価値製品の創造・提供」のためのミッションを遂行し、製品開発サイクルの好循環をつくり出すことで、より多くの高付加価値製品を創造し、社会に提供することを目指します。


  3. サステナビリティ推進体制

    1. ガバナンス
      当社グループでは、経営の実務的戦略を検討する会議体として、従来の執行役員会議に各部門長と子会社社長を加えた部門長会議が当期新たに発足し、この分科会として、サステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、気候変動、人的資本を含むサステナビリティ全般について年2回以上検討を実施して取締役会へ報告し、取締役会が報告内容を審議することでサステナビリティ体制の推進を図ります。サステナビリティに関する方針や決議内容の有効性評価やその実施状況の監視は、内部統制委員会が行っております。また、人的資本への対応では、管理職の人財評価を行う人事委員会や、人事制度の見直しを行う人事制度構築委員会が取締役会の諮問に対し答申を行い、公正な人事評価と人財育成、人財多様性の確保等に努めております。
    2. 戦略
      当社グループのサステナビリティ戦略は、自社の持続的成長と社会との共存に不可欠な要素として選定した6つの「マテリアリティ」(環境、人権、地域・社会、従業員、取引先、災害等)の各項目を踏まえ、ISO規格(品質及び環境マネジメントシステム)と連動することで、顧客アンケート(VOC)分析や自社グループのSWOT分析を用いて部門長会議(サステナビリティ委員会)がグループ全体の課題を抽出し、これを各部門や子会社毎の課題に分解し「マテリアリティKPI※」として具体的な目標に落とし込んで策定しております。
      ※KPI=Key Performance Indicator スケジュール化、数値化された重要な事業目標
       また、マテリアリティ「従業員の働きがい」の項目に関連し、当社グループでは人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針を以下のとおり決定しております。
      ○(人財育成方針)
      日進工具は、企業と個人の成長のため、社是である「明るく、楽しく、創造をしよう。」を主体的に実践する人財を育成します。
      ○(社内環境整備)
      日進工具は、社是である「明るく、楽しく、創造をしよう。」を実現する組織と社内環境を整備します。
    3. リスク管理
      当社グループのサステナビリティ推進管理は、基本的に各部門におけるISOマネジメントシステムとリンクしており、各部門、子会社が自身のKPI(「マテリアリティKPI」を含む)についてPDCAを行い、これをISO事務局が取り纏めて毎月取締役会に報告を行っております。KPIの進捗状況については半年毎にISO事務局が総括を行い、これを取締役会に報告しております。また主要KPIの進捗状況についてはサステナビリティ委員会でも適宜モニタリングを行っております。
    4. 指標及び目標
      主要な「マテリアリティKPI」と当期の進捗達成状況は以下の通りです。

      前述(2)における人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針につきましては、上記4-7「子育てサポート企業として、3年後をめどに『くるみん』認定企業を目指し、女性社員比率を1%以上引き上げる」ことを目標としております。また、「従業員の状況」において記載した、管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異についての目標に関しましては、当社グループの現状を踏まえ、目指すべき水準と必要な時間軸について検討を行ってまいります。


  4. 環境問題(TCFDを含む)への対応状況
    1. TCFDを含む環境問題のガバナンス、戦略、リスク管理
       環境問題は当社グループにとって重要な課題の一つとして、マテリアリティ項目「環境への対応」を構成しており、この中で気候変動に関する問題につきましても、サステナビリティ委員会で年2回以上検討を行い取締役会に報告しており、取締役会は必要に応じ議案の審議を行っております。
       気候変動に関わる戦略策定のためのリスクの特定・評価につきましては、サステナビリティ委員会で、IPCCやIEA等が公表している2℃シナリオ、4℃シナリオを考慮したそれぞれの世界観を参考に、特に2℃シナリオを中心に当社グループにとってのリスクと機会の検討を行い、基本的な戦略策定作業を終了しております。
       気候変動に関わるリスク管理につきましては、上記戦略を踏まえ、各部門が気候変動対応を含めた「環境への対応」に関わる課題解決の中でマテリアリティKPIを策定し、他のマテリアリティに関するKPIと併せて社内でPDCAを行い、ISO事務局から取締役会に報告するほか、サステナビリティ委員会でもモニタリングを行っております。
    2. 指標について
       当社グループではGHGプロトコルスタンダードに基づいて、サプライチェーンを通じたスコープ1・2・3の温室効果ガス排出量を算定しております。2021年度のスコープ1・2排出量の合計は4,783トンとなり、2020年度から89トン減少致しました。当社グループでは従前より電力使用量の削減目標を設定して省エネに取り組んでおり、引き続きスコープ1・2の排出量削減に取り組んでまいります。



  5. 地域・社会への貢献について
    当社は、2013年より売上数量に応じた寄付を実施しております。特に東日本大震災で親をなくした子ども達が高校卒業後に、大学・短大・専門学校へ進学する際、入学金と授業料を返済不要で支援している仙台市にある「公益財団法人みちのく未来基金」への支援を続けておりました。みちのく未来基金より、2019年3月期までに今後の育成資金が集まったという情報を伺い、その後は子ども達の育成を支援している団体を中心に支援を継続しております。
    今年度は、下記5団体への支援を実施してまいります。
    1. テイラー・アンダーソンカップ 2023 IN 女川
    2. 開催日:2023年6月17日(土) 女川スタジアム
      震災復興を目的として行われる女子サッカーのチャリティーマッチ。日米の架け橋となることを夢見ながら東日本大震災で犠牲となった外国語指導助手の米国人女性テイラー・アンダーソンさんを追悼し震災を後世に伝承していくとともに、選手や地域の子ども達の夢を叶えるお手伝いをしていきます。
    3. 愛知県知的障がい者サッカー連盟
    4. 知的に障がいがある方を対象に、サッカーの楽しみを共有できる環境を整え、「余暇活動の充実を図ること」「体を動かし心身のリフレッシュを図ること」「人の輪を広げ、サッカーの楽しさ、醍醐味を体感すること」「生涯にわたって運動に親しむこと」を目的に設立され、様々な活動をしています。(連盟パンフレットより)
    5. 宮城県知的障がい者サッカー連盟
    6. 宮城県内の知的障がい者サッカーチーム及び関係機関と協力しながら、知的障がい者のサッカー競技力の向上と普及を図りながら、サッカーを通じて心身共に健康な選手の育成と、関わる方全ての生きがいづくりを行っていきます。(連盟パンフレットより)
    7. ベガルタ仙台ホームタウン活動
    8. ホームタウン活動とは、Jクラブの本拠地として定めた市町村(ホームタウン)において、地域連携活動を行うことです。ベガルタ仙台では、仙台市、宮城県を中心にスポーツ振興、地域連携、社会連携、東日本大震災復興支援といったホームタウン活動を行い 「こころもからだも健康で、多様性に富んだ豊かな社会づくり」を目指して活動しています。
    9. しながわ子ども食堂ネットワーク
    10. 子ども食堂(親が共働きなどで自宅でひとりで食事をとる子どもたちに、みんなで食べる楽しさや暖かさを提供する活動)による居場所づくりをめざす人々が交流し、相互の活動を充実させることを目的としたネットワークです。品川区社会福祉協議会に事務局があります。当社からの支援は宮城県のお米を中心に行っています。