仕事だけじゃない!作業着のすゝめ

便利なつなぎタイプも!おしゃれ作業着に今、注目が集まる理由

「作業着」と聞くと、現場仕事のユニフォームを想像しませんか? 実は今、その機能性とデザイン性が注目され、普段着として愛用する人が増えているのです。筆者もその一人。仕事着のイメージを覆す、作業着の魅力とは?


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変わる作業着のイメージ

「作業着」と聞いて、筆者がざっとイメージするものは、「工事現場や工場で働く人が着る服」、「官公庁の人が現場視察のときに身につけている」といったところです。総じて「現場」感が強く、プライベートで積極的に着たいという気持ちは、これまでありませんでした。

ところが、近年は作業着の人気が上がっていることをご存じでしょうか。

都内のユニフォーム専門店では、なんと2025年9~11月期の売上が前年同期比で4倍超に急伸しています。

ユニフォーム専門店は、もともと法人需要が主でした。しかし、この店舗では、浅草やかっぱ橋道具街に近い立地ということもあり、来店客の7割が個人客となり、そのうち3割を外国人が占めるようになったそうです。


作業着人気の背景には、手ごろな価格とデザイン性の進化があります。紺やグレーといった無骨な印象が強かった作業着ですが、近年では黒地にピンクの差し色を効かせたり、カムフラージュ柄を取り入れたりと、バリエーションが広がっています。さらに国際的スポーツメーカーであるPUMAも参入し始めているほどです。

作業着そのものが売れているだけでなく、現場由来のアイテムをおしゃれとして取り入れる動きが、ファッション業界にも広がっています。

例えば、人気のファッションブランド・メゾン マルジェラからは日本の伝統的な足袋からヒントを得た足袋ブーツが販売されています。*1

筆者自身もこのデザイナーの靴を持っており、ここぞというときに履くお気に入りの一足です。

かと思えば、日本ブランド「アンリアレイジ」がフランス・パリのファッションウィークで発表した2025年春夏コレクションでは、どの服にも小型空調ファンが付いていたというから驚きです。

空調服を作ってきた企業も、一般向けファン付きシャツやジャケットを展開しています。*2

これもまた、作業着が持つ「機能性」という側面が、ファッションの最先端にまで影響を与えている証拠と言えるでしょう。


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着てみてわかった!作業着の機能性

ここでは、筆者が考える作業着の魅力をお伝えしたいと思います。


筆者の趣味は燻製です。自宅の庭で定期的に火を起こして燻製を楽しんでいます。市販のものよりスモークの香りが強く、とても美味しい燻製ができあがるのですが、火を起こした際の煙や燻製の匂いが服についてしまうのが悩みでした。
しかし、作業着を着るようになってからは、その悩みも解消されました。万が一、灰がついて汚れてしまっても、「作業着だから汚れても仕方ない」という気持ちになれるため、精神的なダメージもほとんどありません。


また、土いじりも好きなので、夏場は草刈り機で庭の除草作業をしています。作業着は丈夫な生地で作られているため、多少、藪に入っても破れる心配がありません。愛用している作業着はゴミが付きにくく、その点も重宝しています。
さらに、シワにもなりにくく、毛玉ができる心配もありません。筆者は毛玉という存在が本当に嫌いなのですが、愛用している作業着は毛玉とは無縁です。毛玉のストレスがなくなるという解放感たるや・・・。
洗濯機で乾燥までかけてしまっても、ほとんど型崩れしません。筆者はそのタフさを愛しているのですが、自宅にある作業着のタグを確認したところ、タンブル乾燥は不可でした。作業着がいくら丈夫とはいえ、みなさんは洗濯表示をよく確認したうえで取り扱うようにしましょう(図1)。


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図1:筆者愛用作業着の洗濯タグ
出所)筆者撮影


また、作業着はポケットがたくさんあり、スマートフォンや小物の持ち運びに便利です。一般的な腰部分のポケットに加え、腕の部分にペンを挿せるポケットや、ファスナー付きのポケットなど、まさに「作業」をするための機能が満載です。
近年では、前述のファン付き作業着やヒーター搭載のものなど、さらに機能性が向上しているものもあります。*3
ワークウェアが普段着になる例としては、ジーンズが分かりやすいでしょう。ジーンズは、アメリカのゴールドラッシュで集まった労働者たちに支持されたことから、今やファッションアイテムとして広く認知されています。*4
小型ファンが付いた服がファッションウィークに登場したことといい、将来、現在日本の職場で親しまれている作業着も、より一層一般的なファッションアイテムになる日が来るかもしれません。


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憧れの作業着はこれ

筆者の憧れの作業着は、なんといってもニッカボッカです。
あの、裾に向かってふわりと広がり、そしてキュッと絞られる独特のシルエットがとてもかっこいいと感じています。
ニッカボッカといえば、やはり鳶職や大工の皆さんの象徴といえるでしょう。最近では、街中で見かける機会が減ってしまいましたが、それでも、あのシルエットを目にするたびに、筆者は「プロフェッショナルだ」という風格を感じずにはいられません。


前述のように、上野の店舗では、来店する3割が外国人客です。外国人客の中には、地下足袋やニッカボッカを「忍者スタイル」として探しに来る人もいるそうです。*1
言われてみれば確かに、黒い地下足袋に黒いニッカボッカを着ていると忍者に見えます。
ちなみにこのニッカボッカ、もともとはひざ下丈の裾口を絞った半ズボンのことをさしています。ニッカーボッカーズやニッカーズと呼ばれることもあります。17世紀から同じようなものがあり、乗馬や狩猟、ゴルフ、スキー、海水浴などのシーンで、カジュアルウェアとして定着したそうです。*5
300年以上も前からあり、しかも、ゴルフといった海外発祥の文化的背景があるニッカボッカが、和のイメージの忍者を連想させるアイテムになっているのも面白いですね。


次に惹かれるのは、つなぎです。
作業着は、ズボンとブルゾンが分かれているタイプが主流かもしれません。しかし、激しく動いたり、かがんだりする作業の際、どうしてもズボンとブルゾンの間に隙間ができてしまい、服の裾や下着が出てしまうことがあります。
そのたびに、いちいち入れ直すのは地味に面倒ですし、何より、お腹が冷えてしまうことが筆者にとって大問題なのです。お腹が冷えるとすぐに腹痛を起こしてしまう体質なので、お腹周りはしっかりとガードしておきたいと思っています。
そんな悩みを一気に解決してくれるのが、つなぎの存在です。上下がつながっているおかげで、どんなに動いてもお腹周りは常にカバーされ、自由な動きを妨げません。アクティブに働くための理想的な形状と言えるでしょう。
ただ、つなぎの唯一とも言える難点は、トイレの際の面倒さです。
トイレが面倒と考えている人は私だけではないようで、ヒップオープン式のつなぎも登場しており、このトイレ問題も克服されつつあるようです(図2)。*6


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図2:アグリデニム
出所)東京農業大学「東京農業大学農学部の学生が企画した新しい農大つなぎ 『アグリデニム』の販売開始について」
https://www.nodai.ac.jp/news/article/2023011701-1/

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今日からあなたも!作業着ライフ

「現場」のイメージが強かった作業着も、今や「これが作業着?」というデザインが登場し、趣味やライフスタイルを支える相棒として、その活躍の場を広げています。
この記事を読んで、「ちょっと作業着、試してみようかな?」と思っていただけたら嬉しいです。あなたも今日から、作業着ライフを始めてみませんか? きっと、新しい発見と、心地よい驚きが待っているはずです。


参照・引用を見る
*1
出所)産経新聞「現場の『作業着』が一般客に人気 高機能でお手頃、デザインも向上」
https://www.sankei.com/article/20260110-CVLNTBOPTNMCFH5LB6QSC5GTDA/

*2
出所)日本経済新聞「夏も涼しい『ファン付き服』作業服からファッションへ 」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD084JU0Y5A400C2000000/

*3
出所)株式会社ワークマン「【累計60万点突破!】寒暖差の大きい冬を快適に! ワークマンの「着るコタツ」ヒーターウエアシリーズ いつでもどこでもスイッチ1つであたたかくなって大活躍‼
https://www.workman.co.jp/news/%e3%80%90%e7%b4%af%e8%a8%8860%e4%b8%87%e7%82%b9%e7%aa%81%e7%a0%b4%ef%bc%81%e3%80%91%e5%af%92%e6%9a%96%e5%b7%ae%e3%81%ae%e5%a4%a7%e3%81%8d%e3%81%84%e5%86%ac%e3%82%92%e5%bf%ab%e9%81%a9%e3%81%ab%ef%bc%81

*4
出所)YKKスナップファスナー株式会社「あの時コレが流行った!日本のジーンズの歴史を紐解くインフォグラフィック」
https://www.ykksnap.co.jp/products/infographics/history-of-jeans.html

*5
出所)「施工現場語読本」秋山文生著 P.68
https://www.shokokusha.co.jp/?p=8946

*6
出所)東京農業大学「東京農業大学農学部の学生が企画した新しい農大つなぎ 『アグリデニム』の販売開始について」
https://www.nodai.ac.jp/news/article/2023011701-1/

田中ぱん

学生のころから地球環境や温暖化に興味があり、大学では環境科学を学ぶ。現在は、環境や農業に関する記事を中心に執筆。臭気判定士。におい・かおり環境協会会員。