
2024年10月18日 09:00
日進工具は挑戦する人を応援します
還暦すぎたおじさんが、Made in Japanの技術で、原付バイク世界最高速度記録を5年ぶりに更新!
アメリカ、ソルトレイクのボンネビルソルトレイクフラッツにて2輪車のFIM(国際モーターサイクリズム連盟).AMA(全米モーターサイクル協会)公認世界最高速度記録認定競技会「Bonneville Motorcycle Speed Trials(BMST)」が2024年8月24日~29日にかけて開催され、日進工具が2018年から応援している、Super Minimum Challenge レーシングチーム(SMC)が参戦しました。
SMC参戦の歴史
2018年 125ccプロトタイプマシンNSX-01でクラスレコード達成
2019年 50cc+スーパーチャージャーNSX-51、125cc+ターボNSX-02で6つの世界最速記録を更新
2020年 covid-19でイベント中止
2021年 マシンがアメリカに届かずイベントキャンセル
2022年 大雨によりイベント中止
2023年 ハリケーンによりイベント中止
2024年 50cc+スーパーチャージャーNSX-52が世界最速記録を3つ更新
SMCの歴史は当初こそ順調でしたが、2020年以降は非常に厳しい時代を迎えます。
マシンはどんどん進化しているにも関わらず、コロナや天候不順により、走れない時代が4年続きました。しかし今年は天候にも恵まれ、ようやく走ることができました。
結果は......
見事、Super Minimum ChallengeがBonneville Motorcycle Speed Trialで世界最高速度記録を更新することができました!
BMST2024の軌跡
1日目 車検
2日目 試走 2019年の記録を上回る世界記録を樹立
3日目 強風によりコースクローズ
4日目 世界記録をさらに更新
5日目・6日目 コースコンディション不良により125cc部門は実施できず
2日目 ワールドレコードを樹立、しかし記録をキャンセル
初日の車検を終え、2日目は試走です。
結果的には、試走の段階で世界記録を更新することができました。
これで今年のBMSTは終わってもよかったのですが、SMCは昨年から今年にかけて、秋田県の大潟村にあるソーラースポーツラインでテスト走行を重ねており、もっと良い記録が出ることを確信していまいした。
記録を認定するには、マシンがレギュレーションに沿ったものかどうかの認定車検(エンジンをあけられて排気量などが規定通りか調べられます)が行われるため、後ろの日程のトライアルに参加することができなくなります。
認定が済めば記録は承認されるものの、まだ2日目だったので、記録の認定車検はキャンセルしました。
BMSTのオフィシャルからは、「クレージーだ」と言われましたが、さらに高い記録更新を信じて翌日以降のチャンスに賭けました。
3日目 強風による中止
翌日は、強風でトライアルがキャンセルされてしまいました。
このまま、天候が回復しなければ、前日に新記録をつくったのに、公式には認定されません。
最大のピンチです。
周囲のスタッフに焦りはありましたが、ライダーの近兼拓史さんは、過去の参戦経験から、強風の次の日の天候は必ず風が止まることを知っていたので、4日目以降の1チャンスにかけました。
4日目 世界最高速度記録を更新
早朝からマシンを調整し、2回のトライアルを行いました。
結果 FIM(国際モーターサイクリズム連盟)の記録では、1マイル平均107.309km/h(1キロ平均107.381 km/h)をたたき出し、世界最高速度の更新を実現しました。
トップスピードでは135km/hという4ストロークシングルエンジンとしては驚異的なスピードを記録し、前回の記録を約6km/h上回りました。
こうして2024年のSMCのチャレンジは、50cc+過給器クラスのFIMの1マイルと1キロ、AMAの1マイルの3クラス全てで世界最速記録更新という完全勝利を成し遂げ、終わりました。
50ccクラスでの3冠達成後、125ccクラスでも記録更新をとセッティングを急ぎましたが、強風に阻まれコースコンディションが整わなかったこともあり、残念ながら、記録更新とはなりませんでした。
BMST2024を終えて
2019年以来、多くの方にご支援していただいたにも関わらず、結果どころかボンネビルの地にも立てない辛い雌伏の時期が続きました。
結果が出ないとメディアに取り上げられることも少なくなり、離れていく人やスポンサーも出るなど負の連鎖が続きます。
ライダーの近兼さんも精神的に追い詰められ「申し訳ない」「結果を出さないと」という想いの詰まった2024年でしたが、結果として50ccの部門では3つの世界記録を更新することができ、一矢報いた大会となりました。
世界最速のインディアン再び!
来年は、近兼さんも、映画「世界最速のインディアン」でアンソニーホプキンスが演じたバート・マンローが世界記録を打ち立てた年齢(63歳)になります。
できれば、バート・マンローが記録をつくった63歳の年に、125ccクラスでも世界記録を更新できればと思っています。
大潟村スポーツラインをスーパーカブの聖地に
今回、SMCが世界記録を更新したことで、テスト走行の場所としてお世話になった秋田県大潟村ソーラースポーツラインは、スーパーカブによる世界最速記録誕生の聖地となりました。
世界中1億人以上のスーパーカブユーザーが、一度は行ってみたい場所となればと思っています。
近兼さんとしては、そんな想いに応えるべく「ボンネビル・モーターサイクル・スピード・トライアルズ」ならぬ「大潟村・モーターサイクル・スピード・トライアルズ」のようなイベントが開催できればと考えているようです。
引き続きの応援に期待
SMCに余裕資金はなく、来年のBMST出場も、大潟村でのイベントも、まだまだ構想に過ぎません。
あと一社でもスポンサーについてもらえれば、いくつかやりたいことができるので、何とかスポンサーを増やしたいと考えています。
SMCは、
下町ロケットにも似た日本の中小企業のチャレンジであり、齢60歳を超えた中高年のチャレンジでもあり、秋田県の大潟村の町おこしという地方創生案件という側面も持ち合わせています。
くわえて近兼さんは、日本映画監督協会の理事、本業は映画監督ですから、今回までのBMSTのチャレンジをドキュメンタリー映画にする予定もあります。
2025年は「世界最速のインディアン」バート・マンローと同い年になりますから、記録をさらに更新すれば、アメリカでも話題になるかもしれません。
SMCは可能性に満ちたプロジェクトであり、奮ってスポンサーに名前を連ねていただければと思います。
SMC プロジェクトについて
メイドインジャパン製品の真骨頂といえば小型高性能。ソニーのトランジスタラジオ、そしてホンダのスーパーカブ等、これらの製品は日本の製造業と経済を牽引してきました。時代の花形産業をIT企業に譲り製造業は斜陽産業と言われて久しいですが、精密微細金属加工業には世界屈指の技術、唯一無二の技術を持つ企業が多数あります。これら日本製造業のオールスターチームが「日本のものづくり技術の素晴らしさを世界に示すために、世界最小最精密クラスで世界最速記録を達成する!」という目的で集結したのが、スーパーミニマムチャレンジプロジェクトです。 そのベースエンジンには、メイドインジャパンの象徴ホンダ・スーパーカブを使用しています。
近兼拓史
日本映画監督協会理事 映画監督
<主な監督映画>
映画「痩馬の詩」、映画「切り子の詩」、映画「銀幕の詩」 他
<主な出演番組>
近兼拓史のウィークリーワールドニュース(ラジオ大阪・ラジオ日本・MID−FM他)
<主な経歴>
1990年、鈴鹿8時間耐久ロードレースに、元全日本TT-F1チャンピオン徳野 正樹を擁してチーム徳野with Kiss-FMとして参戦。
1992年、ロシアンラリーKDX125にて最少排気量走破記録達成
1993年、FIMオーストラリアン・サファリラリー出場。カワサキモータースジャパン他のサポートを受け、KSR-50(50cc)ベースの改造マシンで、世界最小ラリーマシンでの出場記録達成。
1996年、スーパーシェルパでサハリン一周走破達成!ネフチェゴルスク地震支援現地活動。
1997年、鈴鹿8時間耐久ロードレースに、チームfm laLUZとして参戦。
2005年、FIAT500スバルエンジン搭載プロジェクトでモノ・マガジン年間大賞企画賞W受賞。
2006年、インターメカニカ―不屈のプランシング・ブル伝説(DINOBOX)発刊
2012年、80時間世界一周旅行達成!80時間世界一周 格安航空乗りまくり悶絶ルポ(扶桑社)発刊
2014年、アメリカ横断撮影達成!(ハーレーダビッドソン使用)
2017年、電気自動車燃料代0円日本一周達成!映画「切り子の詩」全国公開。
2018年、BMST参戦1年目、歴代最多完走記録達成
2019年、BMST参戦2年目、50cc+過給器、125cc+過給器クラスにて6つの世界最速記録達成
2020年、自立式ソーラーバイクにて日本縦断距離記録達成(外部充電無しで3800km)
2023年、秋田県大潟村ソーラースポーツラインにて非公認ながら50cc+過給器クラスの世界最速記録を達成
栗本 義丈
アルファ・ファンクション代表(https://www.alpha-function.jp/) 「知らない会社の株は買わない」をモットーに、主に上場企業のIR、ブランディング支援を実施 他にも、経営戦略の策定、株式上場支援、地方創生(観光DMOの設立等)の支援、ライターとしても活動中 kurimoto@alpha-function.jp